新米父さんの色んな奮闘記〜耳下腺腫瘍と子育てと日々のあれやこれ

2019年の夏、「耳下腺腫瘍」と診断されたことをきっかけに始めました。耳下腺腫瘍の手術やその後の経過、子育てのこと、日々感じたり見たあれやこれなど、思うままに書き連ねていきます。

陸王

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2回目、読了です。

個人的には、

半沢直樹

下町ロケット

よりも好きな作品です。

ノーサイドゲーム読んだら変わるかも。。。

 

 

なぜ好きかというと、

経営者、マネージャー、各部門の担当者、就活生、

アスリート、、

 

 

それぞれの立場がけっこうリアルに感じられる所にあったのかもしれません。

 

ちなみに、一回目は茂木君に感情移入。

アスリート(かつプロではなく実業団アスリート)という立場から展開される一連の流れがストーリーに入りやすかったなぁと。

こうやって山谷ある中でこはぜ屋に出会えたり、サポートし続けてくれたり、きちんとアスリートとして復活する流れはどちらかと言えばあまり起こらないことではあると思いますが。

 

 

二回目は宮澤社長に感情移入。

あ、私は社長では全くございません。

部長でもないです。

 

全体を通じて、「変わると守る」というバランスの難しさを感じました。

こはぜ屋としての伝統を守ることは「すぐには潰れないが、変化もなく細っていくことは目に見えていた」状態。

ランニングシューズ参入は「描いたとおりに行けば企業は立て直せるが、昔のこはぜ屋は無くなる可能性もあるしそもそも失敗するかもしれない」状態。

 

ストーリーではあまりの高い壁(アトランティス)に「今を守ればまだ生き長らえる可能性は高め」という判断を迫られるシーンもありました。

社長として雇用を守る為に撤退を考えざる得ない状況にもなります。

 

宮澤社長が「新しいことをしなくてはいけない。でも今の伝統や雇用も守らなければならない」という 狭間で悩まされることは、今の世の中と自分の境遇だからより強く考えさせられました。

 

悩まされるのは特に「どちらもそれなりに結果が出ていたから」だったのかなぁ、と。

「新しいことやらなきゃ間違いなく半年後には倒産」

「足袋製造で問題なく生きていける」

→明確にどちらか、ではなかった状況。

 

この状況が判断を悩ませていたのだなぁと個人的には思います。断たなければいけない退路があるようで無い、みたいな。

 

 

でも、だからこそ宮澤社長が「何をしたいのか、何を守りたいのか」を真に考えていくプロセスに共感が持てたのかもしれません。

 

 

今、コロナ禍で色んなことが変わるし、苦境にさらされることもあるからこそ感じた、陸王という小説の良さです。

 

 

………またしばらくしたら読み返すんだろうなぁ。

いい作品です。