新米父さんの色んな奮闘記〜耳下腺腫瘍と子育てと日々のあれやこれ

2019年の夏、「耳下腺腫瘍」と診断されたことをきっかけに始めました。耳下腺腫瘍の手術やその後の経過、子育てのこと、日々感じたり見たあれやこれなど、思うままに書き連ねていきます。

風が強く吹いている

うん。

名作です。

 

 

 

いきなりすみません。

数年前から読書を月1〜3冊、ジャンルをあまり決めずに読んでいます。

小説、ビジネス書などなど…

中には割と早めに「これは違うなぁ」と感じで読むのをやめることもあります。

 

 

逆に「これいいなぁ」と思った本は何度も読み返します。そんな中の一冊がコレ。

 

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漫画版がきっかけで読み始めましたが、

何度読んでも涙腺が崩れ落ちること。

 

 

箱根駅伝を舞台に、走ることを通じて「強いとは?」を問われるように感じる青春群像劇。

結果や今はさておきスポーツに力を注いで中学〜大学を過ごしてきた身として、とても共感できることが多くあることも好きな理由です。

 

 

まず、寛政大学のメンバーが良い。

「本当に素質がないメンバーが一年かからず一キロ3分台で走れるものか…」という真面目な部分は引っ込ませておいて。。。

 

個人的には「ユキ・ニコちゃん」が良い。

 

ユキのハイライトはやっぱり箱根駅伝なんだけど、これまでの生活環境や、支えになってた考えが無くり「芯はしっかりしてるんだけどどこか宙ぶらりん感」が共感を持ててしまう。等身大の大学生という感じ。

 

あと、山下りの中で走と同じ世界を見れた時の描写も等身大の学生だったなぁと。

レーニングを通じてジョータはとにかく楽しく先に続けることも示唆する描写があり、これも「努力の先に見えた世界の捉え方」として分かる。

 

でも、同じように一流の世界を見たことで「自分とのギャップを感じてしまう」ことも分かる。

理屈じゃないんだよね、「どう頑張ってもそこは別世界と感じた瞬間」って。

 

 

同じ観点ではニコちゃん。

ニコちゃんの長距離にこだわりたかった理由も、こだわれなかった理由もすごく分かってしまう。

そして、練習を始めて徐々に「最後」と分かってるからこそできること・感じることが描写されていることも共感の理由だなぁ。

 

うん。おれも基本スポーツには挫折続きでしたから…

 

 

話変わってこの小説の一つのテーマ、「強い」ということについて。

おれは「自分という人間をきちんと表現できること」なのかなと感じ取っています。

 

ハイジが「速く走ることだけが全てじゃない」と

問うシーンや双子が「優勝出来ないなら意味がない」とぼやくシーン。

 

どちらも間違ってないと思うんだよね。

 

明確に優劣がつくものがあることが世の中で、それから目を背けたり「知りません」は当然出来ない。でも「勝てなかったら意味がない(価値もない)」と飛躍しそうになることも違う。

 

きっと、何かに取り組むことを通じて自分はこんな人間だ、と言える芯を持てることが「強い」ことなんだろうなと。

 

 

勝ち負けが全てじゃない。

でも、勝ち負けが大事なこともある。

 

だからこそ、「何が大事なのか」をきちんと考える、持つ事が重要だと考えさせられる小説だと思いました。

 

 

他にも好きな小説はありますが、

今のところトップ3には入ります。

 

 

次は何を読もうかなぁ…

#小説

#風が強く吹いている